気が付けば5月も終わりますね。
2度と訪れる事のないステキな5月をありがとー!
6月もみんなで力を合わせて頑張りましょう。
世間はそろそろ梅雨に突入ですね、
梅雨と言えば家でじっくりゲーム、
ゲームと言えばスーパーファミコン
スーパーファミコンと言えば聖剣伝説!
懐古ゲームファンのみなさまお待たせしました。
2014年今年も人気No.1コーナー?
「あの頃のあんなお話」第二部
”聖剣伝説3”編 その3をお送り致します。
この物語は今から20数年前の1995年9月30日に発売された
1本のスーパーファミコン用ゲームソフト「聖剣伝説3」が
完成、発売されるまでの、開発者たちの汗と涙の記録である・・・
それではみなさん、見てちょんまげ。
”聖剣伝説3編 その1”をご覧になりたい方はこちらをどうぞ。
http://brownie-games.co.jp/201402051731.php
”聖剣伝説3編 その2”をご覧になりたい方はこちらをどうぞ。
http://brownie-games.co.jp/201404111818.php
そんなこんなで(”聖剣伝説3”編 その2参照)
基本となる女性キャラクター”リース”の全アニメパターンを
与えられた容量の中でなんとか収め、キャラ数の配分を各パターン
掴みつつある頃やった。
結果、まだ数キャラ余裕が出たんで、以前からやりたいと思っていた
キャラクターにプレイヤーとは違う存在感を与える表現として
コントローラー放置時でも主人公キャラが勝手に動く、
今で言う”アイドリングアニメ”と呼ばれるものをプログラマーに相談して
導入してもらったんやで。
コントローラーに入力がない時間(放置時間)がある程度経過すると
キャラクターが勝手に動き出すんや。
リースだったら髪を解き始めたり、ケヴィンは時折首や指の関節をポキポキ鳴らすとかね。
今までプレイヤーが動かしてあげないと動かなかったキャラクターたちが
このアニメを入れた事によって、格段と存在感が出始めたんやで。
ずっと同じアニメを繰り返すキャラはいたけど、静止状態のキャラクターが
突然動き出すってのは当時は斬新な表現やったんやで。
女性キャラの基本パターンが出来たんで、次は男の基本になるキャラや。
基本的な男性キャラと言えばデュラン。
デュランの歩き方や走り方はリースに比べてガニ股で男らしく。
そしてデュランで一番懲りたかったのは盾の脱着。
光のクラスに行くと、盾を装備出来るようになる。
この盾の装備によって少ないキャラ数で、光と闇の違いを大きく出せたんや。
基本的な男女のキャラクターが終わって、さぁここからはお楽しみ
好き勝手に遊びまくったキャラクターたちやで!
まずはケヴィンや。設定は獣人。
こいつは主人公キャラの中でも一番粗暴なキャラクターなんで、
歩き方もキャラクターの中で一番大胆に、大げさに歩かせる事にしたんや。
で、モデルにしたのが個人的に大好きなアニメ「じゃりン子チエ」に出て来る
二足歩行するネコたち。
あの歩き方が溜まらなく好きで、ケヴィンの歩き方はあの二足歩行のネコ
”コテツ”や”アントニオ”の
歩き方を元に自分なりにアレンジした結果なんや。
ケヴィンは格闘キャラなんで、バトルのモーションは武器なしの素手、素足。
バトルアニメは、ほっておいても派手に動き回ってくれるから実は意外と楽やった。
・・・と言うかアニメ作るのが楽しかったからやろうね。
次はアンジェラ。
アンジェラは女の中の女キャラ。いわゆるお色気キャラ。
そんなわけでリースに比べて極端に動きを女っぽくしたんや。
歩き方もクネクネと内股で、おしりをプリプリ振らせて色っぽく。
挑発ポーズはおしりを突き出して振るとかね。
小さなドット絵の中で出来る限り、好き勝手やらせていただいたで。
ホークアイは全ての動きがキザ。
歩き方もスマート、ワザを出す時は踊っちゃう。
ホークアイのダンス、実は当時流行ったマイケルジャクソンの踊り(スムースクリミナル)
そのままだと気付いてくれた人は少ないやろね。
少ないキャラ数で一番ギチギチに凝ってモーションアニメ作ったのは
ホークアイだったんじゃないかな?
シャルロットは他のキャラと比べてやや小さいので
その分、動きは弾むように可愛くしてあげたんや。
何をするにも身体が小さい分、動きを大きくして可愛いさを表現。
でも話し方(テキストは田中弘道さん)と、イメージイラスト(結城信輝さん)と、
ゲームキャラ(おいら)がみんな好き勝手なイメージで突っ走ってた感があるんで
最後、ひとつになった時に一番イメージがバラバラだったのが
シャルだったんじゃないかな???
ユーザーのみんなは、受け入れてくれてたんかな???
そんなこんなで、、
当初の計画通り6人のプレイヤーキャラたちは
同じパターンの顔変えでなく、歩き方から笑い方まで6人6様に
個性的なアニメで作り上げたんやで。
当時としては画期的な挑戦だったと思うんだけど、プレイしてくれた方には
どう映ってたんやろか???
泊まり込みながらもノリノリで魂を注ぎ込んだ主人公キャラたちは
なんとか予定を大幅に遅れることなく、無事にデータアップしたんやで。
NPCと呼ばれるノンプレイヤーキャラ(町人やサブキャラとかやね)も
基本のドット3面図はおいらがおこしたんやけど、
主人公キャラで容量をギチギチに使ってしまったんで
NPCの方はデータが容量に収まらりきらないとゆう事で”立ち”専用のパターンが
泣く泣くカットされてしまう事になったんや・・・
だからNPCキャラの”立ち”ポーズは歩きアニメの中で一番大人しいポーズが
使われとるんやで。
聖剣3は物語が壮大だったんで、NPCも多かったからね。
本当に当時は容量問題でいつもヒーヒー言いながら作ってたんやでー。
キャラクターが徐々に出来上がって行く中、背景もモンスターの方も
負けてられない!とばかりに、インパクトあるデータが上がって来とった。
モンスターの方は成島が全てのモンスターの監修に入っておったんで
パステルカラーの聖剣2よりも、やや落ち着いた聖剣3の背景に出しても
違和感のない存在感のあるカラーに調整され、
真横から見たグラフィックにやや上から視点のパースが付けられ
背景と違和感ない立体感が付いた。
そしてあの最初のインパクトあるボスモンスター「フルメタルハガー」が完成。
あの大きなモンスターと小さなキャラクターたちが初めて戦った時は感動したで!
津田率いる背景チームも負けていなかった。
雪の都エルランドでは、夜になると森の木々がクリスマスツリーのネオンように
カラフルに点滅するとか、本当に凝っておったよ。
風の回廊の遠景に見える南国の海のクオリティーの素晴らしさとかね。
あれは快晴続きの真夏に休みももらえず、ずっと会社に籠もって仕事詰めだった
津田の怨念が負の力(ダークフォース)で描き上げた魂のクオリティーだったんやで。
あの頃は毎日会社に泊まり込んで仕事しておったからね。
・・・いや、でも3日に1度は呑みに行ってたかな?
そんなこんなでグラフィックチームは各パートがお互い切磋琢磨しながら
スーパーファミコン最高のグラフィックを目指して頑張っておったんじゃ。
でも当時はそれ以上に社内の他のチームへの対抗心も強かったんやで。
坂口博信さん率いる開発1部「ファイナルファンタジーⅥ」チームが
迫力の魔列車のシーンやモード7(拡縮が使える特殊なモード)を駆使した
トロッコバトルシーンのグラフィックを公開。
青木和彦さん率いる開発4部クロノトリガーチームは
縦2画面ぶち抜きの魔王城、裁判所のシーンを公開。
この頃は各チーム新たな演出方法とかを発見すると
他のチームにも惜しみなく見せていた。
ある意味プレシャーを与える理由もあったんだろうけど、
他のチームはその演出を見て、それ以上のものを作ってやると燃え上がる。
本当にみんなが競い合ってた良い時代であったね。
グラフィックが落ち着き初めて、さぁーここから大変なのは
プログラムチーム。
会社としては派手な演出、凝ったグラフィックを目指せと
背中を押すが、実際組み込むのはプログラマーたちや。
表示や処理スピードとの闘いやったね。
グラフィックチームは1年程で当初予定されていたリソースは
ほぼ仕上げておったけど、ゲーム開発の地獄はここから始まるんやでぇ~・・・
・・・その頃さよならおやすみ株式会社こと、けるるー井上は・・・
時田貴司率いる「ライブ・ア・ライブ」チームにて、
メモリが圧迫されて「使用頻度の低い漢字を削ろう」って話になったとき、
どうしても「昭和」を削られたくなかったので、
アイテム名とかに無理やり「昭和キントト砲」とか、「昭和」を突っ込み、
傍若無人っぷりを発揮していたのであった・・・
ひっそり、こっそりと・・・
では次回「あの頃のあんなお話2 聖剣3編 その4」を
お楽しみにっ!
*「あの頃のあんなお話」第一部”聖剣伝説2”編をご覧になりたい方は
こちらをご参照下さいませ。
”あの頃のあんなお話 その1”
http://brownie-games.co.jp/201205311500.php
”あの頃のあんなお話 その2”
http://brownie-games.co.jp/20130621104.php
”あの頃のあんなお話 その3”
http://brownie-games.co.jp/201308021020.php
”あの頃のあんなお話 その4”
http://brownie-games.co.jp/201309271500.php
”あの頃のあんなお話 その5”
http://brownie-games.co.jp/201311151933.php