気が付けば4月も既に後半ですよ。
今年の1/4は終わってしまったんですなぁ・・・
元旦に掲げた目標の1/4は消化出来ましたでしょうか???
後悔しても始まらないんで、2014年残りまだまだ3/4ありまっせ。
明日からまた頑張りましょう!
そんなこんなで相変わらずバタバタな昨今のゲーム業界、
ならば昔のゲーム業界をのぞき見してみよう!
ってな訳で、懐古ゲームファンのみなさまお待たせしました。
2014年今年も人気No.1コーナー?
「あの頃のあんなお話」第二部
”聖剣伝説3”編 その2をお送り致します。
聖剣伝説?そんなゲーム知らねーよっ!とゆう平成生まれの方、ごめんなさい。
昔はこんな風にゲームを作ってたのか?と少しでも興味を持って頂ければ
これ、幸いでございます。
それではみなさん、見てちょんまげ。(一世を風靡した昭和のギャグでっせ。)
”聖剣伝説3編 その1”をご覧になりたい方はこちらをどうぞ。
http://brownie-games.co.jp/201402051731.php
そんなこんなで(”聖剣伝説3”編 その1参照)
聖剣2の長い長い報奨休暇も終わり、
新チーム編成直後の早い時期から
メラメラと燃え上がる聖剣3グラフィックチーム。
当時1993年頃のスクウェア社内の開発ラインは
坂口博信さん率いる開発1部「ファイナルファンタジーⅥ」チーム
河津秋敏さん率いる開発2部「ロマンシングサガ3」チーム
田中弘道さん率いる開発3部「聖剣伝説3」チーム
青木和彦さん率いる開発4部これが本来おいらがスクウェア入社当初立ち上がるはずだった
まる鳥プロジェクト「クロノトリガー」チーム
そしてけるるー井上、倉島バカ画伯、下村女史も参戦の
時田貴司率いる開発5部「ライブアライブ」チーム
さらにこの時はまだ何を作るかは発表されていない
謎の開発6部とゆうチームも立ち上がっていたのでした。
この謎の開発6部、後々任天堂とのコラボ作品「スーパーマリオRPG」を
作る事になるのです。
上記チーム以外に、大阪開発でも何ラインか動いていたわけですから、
ずぶんが入社してまだ2、3年しか経っていないけれど、
開発ラインが倍に増えています。
純粋にスタッフ数も倍、本当に数年で大きくなりましたよね。
更にこの頃、現任天堂株式会社”岩田社長”もスクウェアを訪問していたのですよ。
当時はまだHAL研究所の岩田社長でしたが、
HAL研究所が自社開発した「ガーディアンブレード」とゆうスーパーファミコン用ソフトを
スクウェアで販売する事になり、
そのモニターのご用命が、まだ立ち上がったばかりで手空きだった聖剣3チームに
かかったのです。
のちにそのゲームは「アルカエスト」と名を変えて
スクウェアから販売される事となりました。
社外にも社内にも良きライバルが多かった、スーパーファミコン最盛期
背景の津田幸治、モンスターの成島康之の登場で
否が応でもライバル心を掻き立てられ、
キャラクターも負けてはいられないと
早速、熱き試行錯誤の日々が始まったのでした。
聖剣3でのキャラクター1体あたりの容量(キャラ数)は1バンク(1024キャラ)。
・・・業界の人でないとピンと来ない数字ですね。w
縦横8ドット×8ドットの□を1キャラと呼ぶのです。
聖剣キャラの基本立ちポーズが2キャラ×4キャラの大体8キャラくらいで描かれています。
□□
□□
□□
□□ ←こんな感じ。
シャルロットとかポポイ等小さいキャラは3キャラ×3キャラ(9キャラ)で描かれていました。
□□□
□□□
□□□ ←こんな感じ。
歩き、攻撃、必殺技、1キャラクターの全てのアクションポーズを
この1024キャラに納めなくてはいけないのですよ。
何も考えずにベタで各ポーズを描いてしまったら、アニメ発注リストの
半分も消化出来ないでしょう。
ここはもう、キャラの使い回しが勝負となるわけです。
・・・あ、アカン!標準語になっておった。
ここから亀岡弁でいくで!
”限られた容量の中でどれだけ見せられるか”
これが当時のスーパーファミコン開発者の腕の見せ所やったんや。
まずグラフィックの各パートリーダーが集まって聖剣3の絵柄の方向性を
あーだこーだと話し合い、当時の衝撃作「伝説のオウガバトル」の影響を受け、
聖剣3ではもっと立体感を出そうとゆう話になったんやで。
聖剣2のキャラは真横から見た完全2Dのパースやったんやけど、
聖剣3ではやや俯瞰、上方向から見下ろしたパースにする事にしたんや。
陰影も少し強めにつけてね。
これはキャラクターだけの話ではなく、背景もそれに合ったパースで描いてもらわにゃ
キャラクターだけ立体感つけても背景にキャラクター乗せた時に
違和感バリバリになってまうんやで。
で、テストキャラを何度も描き起こし、最終的に”んだっちゃ津田”の背景に乗せてみて
違和感のないパースに落とし込んだけれども、パースを付けてしまうと
顔も隠れてしまい、表情がわかりずらくなってもうたんや。
聖剣3では喜怒哀楽、その他様々な表情が豊富に発注リストに書かれておった。
さぁ~どーするか・・・
で、回避策として立ちポーズだけは表情の判る、やや真横からの絵で、
歩き出すとパースがつくとゆう少々矛盾した作りに落としこんだんや。
完璧なパースを決めてしまうと背景の方も容量(キャラ数)ものすごく
くってしまうんやで。
容量を軽減する為、試行錯誤でファミコンのRPGに代表されるあのパース
上から見た地面と横から見た建物の壁が同じ面に描かれる手法が
生まれたんや。
とりあえずグラフィックリーダーたちの間でパースの感じと、
ややセピアがかった色調で行こうとゆう事は共通認識として共有でけた。
あとはもう各担当者の腕の競い合いや。
他のパートがかなりクオリティが高いんで、クオリティの低いパートは
すごく目立ってしまう。
キャラクターチームリーダーのおいらも負けちゃいられんと
いろいろと考えて、今まで発売されているゲームではやっていなかった新しいチャレンジを
いくつか実装したんやで。
まずはそれまでのゲームで、聖剣3サイズのキャラクターは
絵柄が違うだけでそれ程歩き方に個性はなかったんやけど、
聖剣3では、6人の主人公それぞれ歩き方から個性を持たせてやろうと。
それが挑戦その1や。
歩行は静止の次に良く目にするアニメやからね。
個性を出すなら必殺技とかよりもここやろと。
まず最初に着手したんが一番オーソドックスであろうリースやった。
派手な性格でもなく、それ程女っぽくもないリース、
まずはリースの決して派手ではいやや女性っぽい移動アニメ(歩行、走行)を
決行時間をかけて作り、これをキャラクターの基本にして
そこから他のキャラを徐々に派手目な個性を付けて行ったんや。
あとはリースで一番注意していた点は背景に劣らないな立体感やった。
基本ポーズでは顔が見えなくなるんで頭身的にはパースはつけられない。
で、四苦八苦の末立体さを表現する方法として
髪のテカり、いわゆる”天使の輪”ってやつやね。
あのテカりを立体的に表現する事で背景のパースと違和感ないパースに
合わせる事にしたんや。
動いてる時はそれ程顔は見せないでええんで、
容量と、他のポーズとのパースに違いが出ないように
だけ注意しながら描き起こした。
で、なんとか発注のある全ポーズを予定内の1024キャラで納め
基本の1体目となるリースは完成したんやでー。
・・・でもね、ゲーム作りってゆうのはね、
まだ容量が少し余ってますなんてプランナーに言おうものなら
速攻ーで新しいポーズ増やしてくれと注文が来るんやで。
もしくは他のパートに空いてるキャラ、取られちゃう。
修正が来た時にどうにもならなくなってまうねん。
だからね、ギリギリまで空き容量の事はプランナーには隠して
とりあえず次のキャラに移ったんや。
こんなところが聖剣2を1本開発して勉強したところやね!w
おっと!せっかく乗って来たのに
リースの話までで今週はいっぱいいっぱいになってもうた!
他のキャラクター、その他マル秘裏話(?)はまた次のお話まで我慢やで。
・・・その頃さよならおやすみ株式会社こと、けるるー井上は・・・
時田貴司率いる「ライブ・ア・ライブ」チームにて、
人の見てないところで陰湿な傍若無人ぶりを発揮し、
ディレクター時田貴司にもバレないように
「けるけるぴーちゃん けるるーちゃん どれんぷちゃん けるけるー」
とゆうようなテキストをこっそりと近未来編に仕込んでいたのであった。
なんとゆう狂犬っぷりであろうか・・・
では次回「あの頃のあんなお話2 聖剣3編 その3」を
お楽しみにっ!
*「あの頃のあんなお話」第一部”聖剣伝説2”編をご覧になりたい方は
こちらをご参照下さいませ。
”あの頃のあんなお話 その1”
http://brownie-games.co.jp/201205311500.php
”あの頃のあんなお話 その2”
http://brownie-games.co.jp/20130621104.php
”あの頃のあんなお話 その3”
http://brownie-games.co.jp/201308021020.php
”あの頃のあんなお話 その4”
http://brownie-games.co.jp/201309271500.php
”あの頃のあんなお話 その5”
http://brownie-games.co.jp/201311151933.php