Kameoka Blog 練乳とホルモン
吉祥寺の光と闇 その四 ”帰って来た男”

練ホル第76回 吉祥寺の光と闇4
”光あるところ、影あり。”

 
東京の住みたい街ランキングで、常に上位に位置する街”吉祥寺”。

駅からすぐ南に広がる井の頭恩賜公園。
その中にはゾウもいる井の頭自然文化園、三鷹の森ジブリ美術館など
自然も文化も豊富な街、それがここ吉祥寺である。

しかし、このおだやかで閑静な街の影で、
かれこれ10数年、密かに繰り広げられている
ゲーム業界抗争あり。
 

どーもっ!亀岡Tシャツ社長です。
 

いつからかこの街は、駅前からのアーケード商店街「サンロード」を境に
東側を闇の裏世界、
そして、西側を光の表世界と呼ぶようになっていた。

何代にも渡り、闇の裏ゲーム界を仕切って来たのは、
インディーズゼロ(代表 鈴井匡伸)。

そして10数年前、突如現れ光の表ゲーム界で幅を利かせて来たのが、
ブラウニーズ(代表 亀岡慎一)。

闇の世界の住人は光の世界に足を踏み込む事を禁じられ
また、光の世界の住人も、闇の世界では生きられぬ定め・・・

 
 
前回あらすじ
両社の間に突如現れた吉祥寺第三のゲーム会社”GAE 大友”。
大友は言った「ゲーム屋ならゲーム屋らしく、きっちりテニスで勝負をつけなはれ!」と。
この大友のひと言で、謎が謎を呼ぶ吉祥寺統一テニス大会の火蓋が切って落とされ
その結果、インディーズゼロ鈴井の圧勝とゆう形で幕は下りた・・・
夕日に向かって走り出したまま消息が途絶えたブラウニーズ亀岡。
その後、ブラウニーズ事務所ももぬけの空となり、
吉祥寺の街はインディーズゼロの手中に落ちたと誰もが肩を落としていた。

詳しくはこちらをご覧ください。

吉祥寺の光と闇 その壱
http://brownie-games.co.jp/201204261600.php

吉祥寺の光と闇 その弐 ”サンロード血に染めて”
http://brownie-games.co.jp/201309101044.php

吉祥寺の光と闇 その参 ”吉祥寺はらんちき騒ぎ”
http://brownie-games.co.jp/201402261933.php

 

 
吉祥寺世紀0014 September

インディーズゼロとの吉祥寺統一100番勝負 
第1戦「さわやかテニス対決」で屈辱の大敗後、
一切消息がつかめぬブラウニーズ亀岡。

ブラウニーズ事務所も、もぬけのカラとなり
亀岡のいなくなった吉祥寺に
春が来て、夏が去り、ふたたび秋が訪れた。

吉祥寺の街を我が物顔でのし歩くインディーズゼロの姿を
人々が見慣れはじめたある日のこと
サンロードを闊歩するインディーズゼロの若い鉄砲玉が持つ3DSが
すれ違い通信の受信を知らせる緑色のランプを光らせた。
確認してみるとそこには

「吉祥寺は我らブラウニーズのもの!」
Tシャツ社長

画面を見て驚愕するインディーズゼロの若い衆。
そう、我らの”Tシャツ社長”ことブラウニーズ亀岡が
吉祥寺サンロードに帰って来たのである!

亀岡はもぬけのカラとなったはずのブラウニーズ事務所のある
吉祥寺第一ホテル”メディ・コープビル”内へと消えて行った。
またふたたび同じ場所にブラウニーたちを集結させるつもりなのであろうか・・・
すると、ブラウニーズの入っていた702号室ではなく、隣の701号室の
ドアに手をかけたではないか。

恐る恐る覗いてみると、なんとそこには702号室の倍ほどの広さの
スペースに確実に以前よりも増えたブラウニーたちがひしめいていた。
行方をくらませていた亀岡は、なんとあれからずっと吉祥寺にいたのである!
事務所もグレードアップし、ブラウニーたちも増員し
来るべきインディーズゼロとの第2戦に備え、
着々と戦力増強を図っていたのである。

亀岡が吉祥寺に帰ってきたとゆう情報は
瞬く間にインディーズゼロ鈴井、GAE大友の耳へと届いた。

そして早速、2社の見届け人GAE大友が亀岡の元へ動いた。

「しっぽ巻いて吉祥寺の街から逃げはったと思うとりましたわ~、亀岡はん。
 ほんま、人が悪いでっせ。
 ほな、早速今から100番勝負第2戦、行きまひょか。」

相変わらずの怪しい関西弁を操る大友は言った。

 
かくして長い間、棚上げになっていた吉祥寺統一100番勝負が
再開される事となり、何故か一番テンションの高い嬉々としたGAE大友の
仕切りにより、かねてより決まっていた種目
「ほのぼの麻雀対決」が吉祥寺の雀荘”ミスチョイス”にて開催されたのである。

「麻雀は4人おらな出来んさかい、この大友も参加させてもらいまっせ。
 それからな、ルールはもめんよう真ん中取って
 ”ほのぼのGAEルール”で行きましょか。よろしおまんな?」

何やらわからんがインディーズゼロ鈴井、ブラウニーズ亀岡共に
詳細は聞かぬまま、うなずいた。

そして開始早々亀岡の出鼻を挫かれる事件が起きた。
ツモる回りが通常の逆時計回りでなく、時計回りなのである!

亀岡は詰め寄ったが、
大友はあっさりと言い放ったのだ。
  「亀岡はん、何言うてまんねん。
   吉祥寺ルール知らんのですか?吉祥寺ルールでは井の頭公園の弁天さまが怒りはるから
   どこの店でもこっち回りでっせ。
   せやね?鈴井はん?」

鈴井「イイネ!」

大友「ほな、時間も無いさかい早回しで行きまひょか。」

一人ツモる順番を間違え続け、目をグルグル回しながら
いつもの調子が出ず
あたふたするブラウニーズ亀岡に対し
何故か畳みかけるように上がりまくるインディーズゼロ鈴井。

「ロン!メンタンピン、お料理ナビ、ドラドラ!」

「ツモ!シアトリズム、ホンイツ、ドラ3!」

「ロン!ゲームセンターCX一色!」

何をする暇もなく、鈴井の上がりを見届けるしか打つ手のない亀岡。
気が付けばハコの中には千点棒1本のみ・・・
と、その時である!

「おっと、それロンですわ。
 リーチ、一発、悪代官!」
 
大空軍、大奥記と切った後、まさかの悪代官でロン。
完全なるGAE大友の引っかけに亀岡は、はめられたのである。
(ネタがわからない人はGAE開発ゲームを検索してみよう!)

なんと見届け人、大友の1発が亀岡に止めを刺した。

「あら?亀岡はん、とび(点数が0点になる事)ましたか?
 すんまへんなあ、お二人の勝負に水を差したようで、へっへっへ。」

思わぬ黒い関西弁、大友の一撃により
吉祥寺統一100番勝負 第1戦「さわやかテニス対決」に続き
第2戦「ほのぼの麻雀対決」もインディーズゼロの勝利で幕を閉じた。

またしても土を付けられてしまったブラウニーズ亀岡。
無類の負けず嫌いブラウニーズ亀岡、
この屈辱の2連敗に立ち直る事は出来るのか、
我らのTシャツ社長!

鈴井の高笑いと、関係ないのに何故か高笑いする大友の、
笑い声が吉祥寺の街に轟いた・・・
 

3社がそんな戯れ合いに興じている頃・・・
巨大な闇のゲーム開発軍団が吉祥寺の街にジワジワと迫りつつあった。
ゆっくりと、しかし確実に吉祥寺を目指す黒い影。
謎に包まれた謎のゲーム開発軍団の目的とは?

この時点でまだ
GAE大友、インディーズゼロ鈴井、ブラウニーズ亀岡の三人は、
誰一人その事に気付く者はおらず

”第3戦は何勝負にしよう?”
”ボーリングやろ?”
”いや、ここら辺でタコ焼き早食い大会とかどや?”

と、脳天気なやり取りを続けていたのである。

 
つづく

 

 
次回予告

脳天気なお祭りごっこを繰り広げる吉祥寺3バカゲーム社長たち。
しかしその頃、日本のゲーム業界では大きなうねりが起きようとしていた。
吉祥寺の光と闇抗争など、一瞬でひと飲みにしてしまう程の大きなうねりが・・・
この大きなうねりと、吉祥寺に近づく闇のゲーム開発会社との関係は?
新たな展開を迎える吉祥寺のゲーム業界
GAE大友が一番楽しみにしている”100番勝負”の行方は
一体どうなってしまうのかっ!?
 

次回”吉祥寺の光と闇”その伍
「あらまっちゃんデベソのちゅーがえり!」

お楽しみに。

 
 

*株式会社グローバル・A・エンタテイメント webサイト http://www.gae.co.jp/
*有限会社 インディーズゼロ webサイト http://www.indieszero.co.jp/
 
*この物語はフィクションであり、登場する人名、地名、企業名等全て架空のものです。