『精霊史は永遠に続く!!!!!』
結論として、精霊が情を持って生きることは至極自然なことであった。
損得を越える価値があるかないかと考えるのは個体毎の選択の自由こそあるが、
そのほとんどが、ひとつひとつの情に則った行動原理を築いているのだろう――。
[精霊の敬愛事由/著・ドロゥジーより引用]
***
おーい、起きろ起きろ。起きるのじゃー!
‥‥よ~やくお目覚めのようじゃの。
まったく、旅立ちの朝だと言うのによくもそんなにぐっすりできたもんじゃ。
今日はおうちに帰る日じゃろ? 精霊界ともしばしお別れじゃ。
ほれ、目を開けい。
カッカッカ! ビックリしたか? おともだち精霊 in エグリア精霊界!
みぃ~んな、おぬしのお見送りに来たんじゃ。
それに、もうすぐ楽しいクリスマスじゃろ。プレゼントも準備してきたのじゃ!
ほれ、みんなちゃあんと一列にならべい! 番号順じゃ! なんの番号かは聞くな!
さてと、わらわも列に並んでくるのじゃ。またあとで会おうぞ!
***
001:カグッチ
ギャ~~ン!! クリスマスのお祭、一緒に行こうと思ってたのにさびしいッチ!!
ボッチの宝物の「お面」、受け取ってほしいッチ! だから、優しく抱っこしてほしいッチ!!
002:リュリウイ
ならば代わりに、お前の抱っこは俺がしてやろう。‥‥む? いらんだと?
フッ‥‥わがままな子猫には、この「薔薇」をくれてやる。俺の香り付きだ。
003:マッカー
えーっ! もう行っちまうのか!? せっかく友達になれたのに‥‥。
俺の手作りだけど、「勇者の証」持っててくれよな! また勇者ごっこしようぜ~っ!!
004:レオン
グルルル‥‥。グルル‥‥ル‥‥。
(朽ち果てた「薪」を咥えている)
005:カナンダモラ
オレトオメ、ズーットマブダチモラ!! ギュッ♪ モラ!! チュッ♪ モラ!!
オレノイノチ、イッパイノ「ガラクタ」!! オレダトオモッテホシイモラ! モラーッ!!
006:サクラ
おとなになったら、また、あいにきてください。ぼくたちは、ずっと、まっています。
ぼくたちの、だいすきな、おともだち。ぼくたちの「はなびら」、きみにおくります。
007:ニーナ
アンタ。つらいことがあったら、いつでも母ちゃんを頼っていいんだよ。
‥‥よし、母ちゃんはその笑顔が大好きだよ! 「母ちゃんお手製弁当」、持って行きな!!
008:ノッティ・カソ
お前に会えて良かった、そう思ってるぜ。たまには顔を見せに来い。
これは餞別の「ハンカチ」だ。フン‥‥そうだ。俺の手作りで、何か悪いか。
009:トンカリフ
なぁなぁ!! 実はオレ様、昨日夜なべして「花火」作ったんだぜ~ッ!
スッゲーからさ、お前にもやるよッ! 火をココに点けて、パパパパーン! だぜーいッ!!
010:マチネー
まだまだ話してやりたい「話」があったんじゃがのう‥‥どこかにヒミツで記しておくかの。
カッカッカ、見つけられるかのう? どこに置いたかも忘れたわい。
011:マアコロン
ハッ、もうあーしの番すか。うーん、取り立てて言うこともないす。
だっていつでも、夢で逢えるす。「天国」す。あーしがいつか、天国に連れてってやるすよ。
012:レッドサタン
帰っちまうのは寂しいの。ばって、おめえの未来ば決まなぐらのはおめえ自身だし、俺は味方だ!
これ、俺の大好きの「花」ば、やら! キレイだろ? 飾っどぐだげでが元気の出るぜ!
013:バッソ
そうだよ、アタシだってアンタの味方さ! じゃないと背中になんか乗せないだろ?
んじゃとりあえず、「握手」! ‥‥うわ、アンタ手ちっさいねぇ! ぷぷ、可愛いよ。
014:ラダマンティ
うム、何も言うことはない。だが俺は、いつでもここにいる。
帰って来られる居場所だと思えばいい。俺がいつでも、貴様の「家」になろう。
015:サリア
らら~♪ 今日は~♪ あなたを~♪ 笑顔で送り出すための「お歌」~歌うため~♪
喉のケアばっちり~♪ してきたの~♪ ルル~♪ ‥‥ウェッホォ、ゲホッ!! うぅ‥‥。
016:ポシードン
サンキュー! キスミー! アイラブユーッ!!
ユーがアゲインカミングしたときのため、「スペシャルポシー丼」を開発しとくノーンッ!!
017:ナルセス
‥‥また、会えるよな。
何も思いつかなかった‥‥から。「はんぶんの氷の結晶」、やる。
018:ランプータン
まぁ‥‥あたたかな光が見えますわ。あなた様を包み込む、優しい光でございます。
私とおそろいの「手鏡」を差し上げますわ。あなた様は、何処に行っても絶対に大丈夫です。
019:サンサガリ
ドロロンッ!! キサマは、いっつも何も言わずに行ってしまうでゴザル! ‥‥グズッ。
「ぞうきん」、やるでゴザルッ! これでビショビショになっても‥‥泣いても大丈夫でゴザル!
020:パスタパ
きみとぼく。きっと。ともだちに。なれたよね。
「はんぶんの氷の結晶」。きみに。あげる。きっとどこかで。ひとつになるよ。
021:ヴィルディ
キャハハッ! 何それ~っ、結晶もキラキラしてて美味しそ~っ!
んじゃ、アタイからは「星」あげる! 雨が降った夜、今度は一緒に捕まえにいこ~よ!
022:ダンティ・ソウ
フン。気が付いたら頭とポポと‥‥その次くらいには、長い付き合いになってはったわ。
‥‥月並みやけど、やっぱり俺からは「たい焼き」や。中身はもちろん餡子やからな。
023:ジュニー
あ‥‥お姉ちゃん、僕の話あんまりしてくれなかったんだ‥‥。
お前も「黄金の泡水」飲んでいけ~! オレの武勇伝、三日三晩聞かせてやるぜぇ~!!!!
024:ミズチ
ぴぅぅぅ。あっ! キミ、ちょうどいいところにぃっ!
見てよ、キミをモデルにした作品が完成したんだぁ。この「氷像」、記念に持って行ってよぉ!
025:トルルト
チミ、いなくなってしまうだなんてショックだに! 立派な研究対象だったに‥‥。
ぼくちんとオソロの「鼻メガネ」をあげるよん。たまに、思い出に浸ってほしいだに。
026:ピーボ
ピッピボーボ☆ 晴れやかでハッピーな顔、ハッピーボ☆
ピーボの「ハッピーボ☆」おすそわけだボ☆ キミの幸せが、ピーボのハッピッピーボだボ☆☆☆
027:ウクトゥプス
おおう! もしかして、ときめきの探求に出かけようって言うのかぁ~!?
旅のお供には「駅弁」! 車窓を眺めながら、いざゆこうぜぇ~!!
028:アンディネ
最近よく効く「お灸」があるの。ラダマンティに作ってもらったのよ。はい、3個セットであげるわ。
これで腰痛も一発で解消でき‥‥痛たたぁ! ひ、ひとつ返して‥‥。
029:チャンダ
チャチャーン! いつもワシらのミュージカルを観に来てくれて、ありがとうゾィ!
これ、年明け公演の「アリーナチケット」ゾィ! 絶対に来てほしいゾィ!
030:チャンオ
うんうん。お前さんの人生の選択は、君の自由じゃ。ワシも、時々勇気が欲しいときあるもの。
ワシの大事な「絵筆」あげる。ときどき絵を描くのって、大事な息抜きになるんじゃ。
031:ドンウー
おいおい、今日帰っちまうってマジか!? 急すぎるゼ、寂しくなるなあ‥‥。
「ドンぐりクッキー」作ったから受け取ってほしいゼ。みんな、お前を好きなんだからよ。
032:シーファ
私の「葉っぱ」、あなたにあげるで~す。他では手に入らないので~す。
精霊界は、あなたがいつでもただいまって言える場所なので~す。
033:タックコッチ
ココカラ、デテイク!? タック、コッチ、ミチアンナイ! シテアゲル!!
コノ「キノエダ」! マヨッタラ、タオス! マヨッタ! マヨッタ! イマ! タオス!!
034:グリンシンズ
実は、内緒であなた様をイメージしながら「花の茶葉」を包んでまいりました。
私の若かりし頃を、色々とお聴きになられたようですから‥‥それはお忘れくださいね。
035:ラショコン
あなたと一緒に、いっぱいおいしくて楽しい時間を過ごしたんだもの。
でも全然足りないと思うんだもの。だからわたくしの「ふかふか」、持って行ってほしいんだもの。
036:マヘティ・ポポ
ポポッ!? 何やらオデの知らないところで、オデの話を聞いたじゃいや!?
オデお手製「豆でっぽう」攻撃~!! パンパンパーン! おしおきじゃいやーっ!!
037:ダラッサラ
お、お前‥‥今日、帰っちまうんだろ? 俺、聞いてなかったんだゾーッ!!
ママが、この「ブーケ」持って行けって‥‥ぐすっ、泣いてなんかねーよ! バカーッ!!
038:シャラルリロッテ
だめです、まだここにいてほしいです。シャラルは素直にお見送りできないです。
だからどうかシャラルが目を閉じているうちに、シャラルの「リボン」を持って行ってです。
039:エンノブ
ほほーい。であいとわかれ、突然やってくるのがじんせい。
息をするのと同じだけ。でもいつかは、かならずえがお。「文鳥のエサ」、あげりゅ。
040:アノヒノヒーロ
なんじゃ、わしの話はついぞ聞かなかったのかのう。残念じゃ。
この「湯呑」をやろう。フォッフォッフォ、今度はそれを持ってこい。
041:ルムーピィ
ホマホマ、リンクリンクルン。
ここは、夢の世界‥‥みんながしあわせの、かりそめのせかい‥‥。「毛玉」ふぉーゆー。
042:ドリアリー
あなたに、「クッキー」を作りました。あの‥‥あまり、美味しくはないのですが‥‥。
それに‥‥少し、何か思い出した気がします。‥‥でも、今この場では言えませ‥‥ん。
043:シヨウ
‥‥!
‥‥‥‥っ。
044:パピドゥ
ドゥドゥ~~!? シヨウさん、それ「絵」ですか!? ぐちゃぐちゃで何も描けてませんよ!?
顔も真っ赤です~っ! この「ルーペ」で見てくださいっ!! お熱かもしれません~!!
045:ラキシュ
またいつでも、宮殿に来ていいのである。ミカニャン様から正式に許可が下りたのだ!
これが「超特別通行手形」なのである! ‥‥ラキニャンと呼ぶな! なのであ~る!!
046:キィ
あなたの笑顔‥‥声も。いつも遠くから感じるの‥‥少し、好きだった‥‥。
「鍵型のネックレス」、あげる。わたしの心の鍵‥‥いつか、あなたに開けてもらいたい‥‥な。
047:ユメル
えっ、うそ! おうち帰っちゃうの!? がーん‥‥。
あんたには特別に「プラチー様の隠し撮りブロマイド」あげるわ! コピーだけど!!
048:オマンジー
ポララ‥‥精霊界に滞在するのは、今日までだったのですね‥‥。
ちょうど昨日「エンノブ先生の詩歌」の新刊が出たのですよ。ロテュ。
049:メッソウ
らら~♪ もうすぐ~♪ あたしのクリスマスコンサートがあるのよ~♪
「特製非売品グッズ」をあげるわ~♪ ああ~♪ 歌が上手い~♪ 顔もきれい~♪
050:プラチナ
この「宝石」を貴様にやろう、餞別だ。何? ‥‥見返りは求めん、安心しろ。
いいから早く行け。今にも‥‥グッ、貴様の瞳に飛びついてしまいそうなのだ!!!!
051:カイロス
分かってたわ、お前のことだから。俺、お前さんとは仲がいいつもりなんだぜ。
コソコソ‥‥これ、「兄貴の弱み」な。わははっ、意外だったろ?
052:ウィルプス
ナハハ~~~ン!! 明日から誰に毎朝ワイのギャグを聞いてもらえばいいんや!?
「モーニングギャグ」をメルマガで届ければええのんか! え、古い? メルマガ古い?
053:シトロリン
昨日までいっぱい、お持ち帰り用においしいあちきの「ハニー」を詰めてきたの。
誰にも言っちゃダメなの! だって、秘密は秘密なんだから!
054:トワロープ
はぁ、はぁ‥‥お待たせ! ようやく準備ができたよ!
え? なんの準備かって? もちろん、君に付いて行く準備に決まっているじゃないか!
僕は精霊界になんて未練もないし、君が一番大事だし君を心から愛してる!
そうさ、ご名答! プレゼントはこの「僕」!! さぁ行こう、愛の逃避行さ!!
056:ラシャンタ
ちょっと、トワロープ君。後がつかえているんだから、さっさとどいてくれない?
‥‥大丈夫、私は怖いお姉さんじゃないわ。優しい「キス」でお見送りしてあげる。
055:ミカニャン
ニャニャッ! ラニャンタ、ありがとうなのニャン!!
「おりがみ猫」、あげるのニャン。頑張って折ったのニャン! ミカニャンの宝物!!
057:プリンスゼロ
ク‥‥ッ。黒き風が吹きすさんでいるかと思えば‥‥やはり貴様だったか‥‥。
お、俺様からは‥‥俺様の「サイン色紙」だ! 受け取るがいい、漆黒の下僕よ!
058:ドロゥジー
ふむ、サイン色紙か‥‥ならば、私も一筆添えてみよう。さらさら‥‥っと。
‥‥私の「論文」だ、余暇にでも読んでくれたまえ。君の意見も聞いてみたい。
059:カカヌント
いつでも精霊界に戻ってきていいのよ~ン!? ずっとずっと、ずーっと待ってるわ~ン!!
アタシからもラシャンタちゃんと同じ「キッス」を‥‥ン~~~、マッッッ♡♡♡
060:ヤムヤミー
グァアアアア!! 「スプーン」! 「フォーク」! 「オハシ」! コレデ、クウ!
オレラ、トモダチ! ツギアウトキ、クウ! オマエ! クワナイ! グハハハハハハ!!
061:スミスカ
あ、の‥‥。これ‥‥「お人形」‥‥作った‥‥の。
お人形がお人形作るの、変だって笑う‥‥? ううん。笑わないでいてくれるの、知ってる。
062:クロリコ
やぁ、お揃いだな。僕は「ぬいぐるみ」を作ったんだ、世界一かわいい猫のね。
‥‥ミカニャンが、昨日泣いてた。あんまり悲しませたら、君でもお尻ペンペンだよ!
063:ラシュラム
わ、私も僭越ながらお見送りに参りました。銘菓「ウィルプスまん」、どうぞ‥‥。
ラシュラムよ、こういうときこそハッキリ言うのだ! 寂しいから行ってほしくないとな!!
064:クロノス
ようやく私の番ですね。‥‥もっとあなたと話をしておけばよかったと、今更思いますよ。
ところで、弟を見つけたら教えてくれますか? 「愚弟出没リスト」、お渡ししておきます。
065:アモン
クック‥‥クルルック。あんたに渡す土産の用意もしていない、が。
その小さなオツムに、俺の「記憶」をねじ込んでやろ、う。クルルック、ククク。
066:ン・ラアメ
ヤァ! イツカメンマ大王ノトコロヘ、連レテ行コウト思ッテイタノニ‥‥。
ショウガナイナァ、マタ今度サ! 「クチベニ」、オセンベツッテヤツダヨ! ケタケタッ!
067:メイオウカッカ
‥‥私からはこれをやろう。小さな「ドクロスライム」だ。ひんやりしていて、実にかわいい。
列の後には、父と母も控えている。‥‥貴様。私のことを、余計に話すなよ。
068:マクティーポ
069:シェドイー
‥‥? ああ、マクティーポなら来ていない。彼奴のことだ、素直になれなかったのだろう。
‥‥我の「短剣」を譲ろう、だから気を落とすな。
070:リーサリーナ
えっ! ちょ、ちょっと、もうあたしの番!? えっとぉ‥‥困ったわね‥‥。
これ‥‥「手紙」よ!! 昨日‥‥いちお、一生懸命書いたのよ‥‥。わっ、悪い!?
071:チーボー
ジャジャ~~ン!! これ見て! ぼくときみの「似顔絵」~っ!!
思い出に持って行って‥‥うわ~っ! も、燃えちゃうーッ!!
072:モモリタ
危ないのだわ~! ふぅふぅ‥‥ボヤ騒ぎで済んだのだわ、良かったのだわ~!
そうそう、わたしからは「ありがとう」を贈るのだわ。立派なあなたにピッタリのチョイスなのだわ!
073:イグニス
ドンドン! ドコドン! ドンドコドン!!
オイドンからのおみやは「小太鼓」ど! 大きくて重いから、オイドンが運ぶどー!!
074:カギンシ
やや、なんでそんなに色々持ってるんだシー? ‥‥ハッ!! クリスマスだったシー!?
カギンシの本業だシー! 「プレゼント」、受け取ってほシー! …逃げないでほシー!!!!
075:ミコト
はは‥‥君には、ずいぶん助けられたな。もしも君が困ったら‥‥私の名を呼んでほしい。
私の生きた証だ。この「爪」を受け取ってくれ。最期まで、迷惑をかける‥‥。
076:ラグリマ
‥‥ワタシは‥‥オマエのコと‥‥ガ‥‥ずッと‥‥‥‥分からなかッた‥‥。
悪シき「石」のかケら‥‥力無きそレを‥‥オマエ‥‥ニ‥‥‥‥。
077:ユミユミ
あららぁ。なんだかこのへん、ちょっと訳アリなヒトたちの列?
はいっ、皆にユミユミ手作りの「ブーケ」! 見てるだけで元気が出るでしょ?
078:チェッケ
ユーがいれば、きっと安心して合宿できたのら。今度は三人でするのら!
もっともっとオシャンでいてもらうために「ブローチ ~MADE BY オラ~」、あげるのら!
079:ロッドウ
短いあいだだったけど‥‥こんな僕をそばにいさせてくれて、ありがとうなんだよ。
君にとびっきりの「楽しいこと」、あげるんだよ。必ずいいことがあるんだよ。
080:ダースケ
ダ~ッ!! さっき、ウォーミッチ様から聞いたのダ! ダから、ダダ~ッて走ってきたのダ!!
ダーは‥‥ダーは! 「青いマッチ」をあげるのダ! ダーだと思って点けるのダ!!
081:サキマ
ふふ、ふふふふ。うふふふふふふ‥‥‥‥そう。私から、離れていくと言うのね。
何も言わずに、「赤い小ビン」を持って行って。うふ。うふふふふふふふふふふふふふふ。
082:オッチョ
あ、これ渡そうと思ってたんだ。俺の「連絡先」。
いらなかったら捨てといて。んじゃ、気を付けてね。
083:ロペス
ううう‥‥ねむい~、だるい~。‥‥けど、お見送りに来たよ‥‥。
これ、絶対必要だと思ったから‥‥「安眠まくら」‥‥もうだめ、寝るよう‥‥‥‥。
084:クラシー
ワタシ クラシー アナタトハ チガウ イノチ モツモノ
デモ ラブハ オナジ ダカラ 「ラブ」ヲ アゲル ミカエリハ モトメナイ
085:ユズリハ
ちょーっとちょっと!! 突然帰っちゃうなんて、超緊急速報だよー!!
ああんもうっ、プレゼントとか買う時間ない! この「マイク」、あげちゃう!!
086:ヒロタン
ふ‥‥。この小さな命を‥‥お前に託そう‥‥。
私の子の‥‥兄弟となる「種子」だ‥‥。‥‥大きくなったその時に、いずれ‥‥また会おう。
087:モナ
‥‥はい。アナタがこの地を去ることを、モナはずっと前から分かっていましたわ。
「花水晶」があれば、いつでもお顔を見られますから泣きません。どうか持って行ってください。
088:ジンディン
「お守り」を持って行け。私の髪を編んでおいたのだよ、そなたの幸福を願いながらな。
ななっ、私は泣いてなどいないのだよ! ‥‥い、いいからもう行くのだよ!
089:ホリー
あ~、もしかしておでかけ~? 帰りに~、ホリーのおみやげも買ってきてほしいな~。
あま~いおやつが~いいな~。ホリーは~この「こんぺいとう」~あ~げる~。
090:ランス
ランスたんもプレゼント持ってきたの~! あたちとおそろいのかわいい「お洋服」!
‥‥って! お前からはお返しないのかよ~っ!? ケチ~~ッ!!!!
091:イヌピロー
アナタには、またエスコートしてほしいワ。とっても強くてカッコよくて、頼りになるもノ。
そうそう、これ。わたくしがいつも使っている「香水」ヨ。とってもセクシーになれるワ♪
092:ヨーニャ
これが、最後になるのじゃろうな。‥‥貴公は、我にとって太陽のような存在じゃ。
我の一部を‥‥「天の涙」を持って行ってはくれまいか。我の最後の、わがままじゃ‥‥。
093:ゲムリン
あらぁ、心配なんていらないわ! どんなに離れていても、私はここから「音楽」を届けるもの!
いつだって聴こえていたでしょう? これからも変わらないの、音のチカラは偉大なのよ?
094:ウォーミッチ
ガァッハッハッハァ!! まぁた一回り成長してくるってのか!!
楽器のひとつでも弾けるとデッカくなれるッ! 使っていない「ギター」をやろうッ!!
095:アーヤ
え~。せっかく仲良くなれたのに、もう遠くに行っちゃうの!? ウルウルリン☆
‥‥なんてのは、もうバカらしいよな! もう使わねー「メイク道具」、全部やるっ!
096:ジャムマリア
イヤぞよ~! イヤぞよ~! (ジタバタ) お別れなんて絶対にイヤぞよ~~!! (ブワッ)
もし冥府でよければ‥‥吾輩ん家、住む‥‥? これ、部屋の「カギ」ぞよ‥‥。(チラッ)
097:ナッコ
星の運河を思わせる、美しい「布」をお贈りします。
どうして、と聞くのはご愛嬌。何故だかあなたのことを思い出したから、ではいけませんか?
098:カシュ
ねえ、あのさ‥‥。キミ、ボクと‥‥ミコトの、いろんなこと知ってるでしょ?
でも、何も言わないでいてくれてありがと。お礼に「悪夢のおにぎり」、あげちゃう。
099:チャラ
あたくし達のそばを去ると言うのね‥‥でも、それも仕方のないことですわ。
「深紅の薔薇」を一凛、差し上げます。あなたが死ぬまで、凛と咲き誇り続けるのですわ。
100:メイオウシン
私の家族もみな、お前が好きだと話していた。はっはっは、冗談ではない。
冥土の土産と言うものだ、旅立つのなら持って行け。「漆黒の蝶」がお前を護るであろう。
101:ヨイドレ
はふぅ~、ウィ~。オンメと飲み明かしたあの晩は楽しかったぜぃ~。
これ、最近お気に入りの「酒」やるぞぉ~。ウ~イ、ひっくん。きもちんE~~。
102:ノノンカ
だめー! かえっちゃやーっ! ノノンカもつれてってー!!
ノノンカの「ココロ」あげるから~っ! 行っちゃやーだー!! やだやだやだぁ~っ!!!!
103:ヴァンシイ
なぁに、泣いてるわけないちや。それなら、代わりにあんたが泣いてくれる?
‥‥なんて、冗談ちゃ。あっはっはっは、は‥‥「涙」、持ってくと? あは‥‥。
104:ブルーサタン
精霊界は広い! いづか、レッドど僕の故郷さも来ながほしいぜ。
「ヘビ皮」、きれいさ剥いたかきや、やらし。かばんや靴さすらど、イケてらぜ!
105:コイル
ジジッ!! コイル、まだそのバキバキの肩と腰マッサージ続けてあげたいでジジ~!!
ハッ! 特別に「永久出張券」をあげるジジ! これでいつでも呼び出してジジ!!
106:オノドリーン
ドリアリーが世話になった。‥‥あれでも寂しがっているのだ、我には分かる。
‥‥風の庭に咲く「白薔薇」を持って行け。時に、娘を思い出してくれよう。
107:ルネ
やだやだ~! 君がいなくなるなんてイヤだよ~!
あはっ、僕のプレゼントは「僕」だったって? じゃあ僕は、君をもらってあげないと‥‥ね。
108:ゲルド
ギッギッギ! 3バカトリオが、バカみたいに寂しがってたぜえ。
ヒヨッコだったノッティにやった「タバコ」でもやるか。お前も同じ瞳をしてるからなぁ。ギギッ!
109:アポロカリフ
我、貴様ノ運命ヲ見抜ク‥‥。貴様ハイズレ、コノ地ニ戻ッテクル――ソシテ。
‥‥我ニ、ほっとけーきヲ作ル。ソノ日マデ「けーきみっくす」デ練習シテオケ。クルルック。
110:ラミアンジェ
あはん、おまえもあたしを置いていくのねん‥‥なんて。もういやだん、冗談よん。
‥‥これ、元カレとの「交換日記」。未練できちゃうから、おまえが捨てといて。
***
‥‥ふぅ。
精霊界には数えきれないほど精霊がいるとはいえ、100人以上並ばれると骨が折れるのう。
わらわたち精霊は、本来新たな他者とのかかわりを好まぬ奔放な気質なのじゃ。
ここに集まっておる奴らは、確かにヒトらしいというか、物好きな奴らが多いがの。
でもこんなにたくさんの精霊がおぬしの許に集まっているのは、単にそれだけが理由ではないぞ。
みんなおぬしが好きで、別れを惜しんで来ているのじゃ。
よう見てみい。伝説の五精霊から、魔王やヒーローまでヤバそうな奴らもおったじゃろ。
どー見ても、並大抵の人間の許になど集まりなどしてはくれん面子ばかりじゃ。
おぬしがここに来てから、いち、に――17個の逸話を話してきたが、どうじゃった?
本当はもーっともっと話したくて、知ってもらいたい話があと100億話くらいあるんじゃがの。
どうしてわらわが知っているかと言う顔をしておるな?
それは、わらわが噂話大好きっ子だからじゃ!! カッカッカ!!
真実は誰にも分からんし、信じるか信じないかもおぬし次第じゃ。
じゃがの。おぬしはここに来て、たくさんの精霊に触れ、
そしてわらわの話を飽きもせず聞きに来てくれた。
これから何年‥‥形あるいのちが尽きる時間が経って、それから途方もない時間が過ぎても‥‥
今、おぬしとわらわ達が同じ場所にいる。
わらわ達はお主が大好きで、おぬしもわらわ達が大好き。
それだけは、真実じゃ。そうじゃろ?
エグリアという世界を大好きだと言ってくれて、
たくさん冒険して疲れたときも、嬉しいことや悲しいことがあったときも、
いつも会いに来てくれて、しあわせを分けてくれて、本当にありがとう。
これからはしばらくおぬしに会えなくなると思うと、もう胸がゴチャゴチャになって、
めちゃくちゃに寂しいけど、わらわ達はずーーっとお友達じゃ!!
じゃから、またきっとすぐに逢える。
精霊は簡単には死なん! じゃから、おぬしが健康には気を付けるのじゃ!!
カッカッカ! 寒くなったらわらわがぎゅーっとしてやるのじゃ。
というのは冗談として――それじゃあ、目を閉じて。
そのまま眠りについて目覚めるころには‥‥おぬしの世界に帰っていることじゃろう。
また会いたくなったら、いつでもこの「精霊記」を開くのじゃ。
ん、この本はどうしたのかって?
実はのう! マクティーポの奴が毎晩わらわの家に来て、今日の日の為に作ってくれたんじゃ。
あやつなりの、おぬしへの気持ちってことじゃ。素直じゃないが、可愛いところもあるじゃろ?
それとココでもうひとつ、精霊界からおぬしへのプレゼント!
こっちじゃこっちじゃ! カメラに向かって‥‥はい、チーズ・サンドイッチ!!
――って、やっぱり全員おさまらんかったのう。わらわ、カメラ見とらんし。
まあこれも、わらわ達らしいといえば“らしい”か。
この写真は、おぬしにやろう。失敗した写真じゃがの! カッカッカ!
それじゃ本当に、しばしのお別れじゃ。
短いあいだじゃったけど、本当にありがとう。
クリスマスが来ても、年が明けても、おぬしがおじいちゃんおばあちゃんになっても‥‥
ずっとずっと、大大大大大大大大大大大だーーーーーい好きじゃ!!
~おしまい~
最後に書ききれなかった話↓をいっぱい書きました。