“光あるところ、影あり。”
東京の住みたい街ランキングで、常に上位に位置する街 “吉祥寺”。
駅からすぐ南に広がる井の頭恩賜公園。
その中にはゾウもいる井の頭自然文化園、三鷹の森ジブリ美術館など
自然も文化も豊富な街、それがここ吉祥寺である。
しかし、このおだやかで閑静な街の影で、
かれこれ10数年、密かに繰り広げられている
ゲーム業界抗争あり。
どーもっ!亀岡Tシャツ社長です。
いつからかこの街は、駅前からのアーケード商店街「サンロード」を境に
東側を闇の裏世界、
そして、西側を光の表世界と呼ぶようになっていた。
何代にも渡り、闇の裏ゲーム界を仕切って来たのは、
インディーズゼロ。(代表 鈴井匡伸)
そして10数年前、突如現れ光の表ゲーム界で幅を効かせて来たのが、
ブラウニーズ。(代表 亀岡慎一)
闇の世界の住人は光の世界に足を踏み込む事を禁じられ
また、光の世界の住人も、闇の世界では生きられぬ定め。
双社に縁のある者達が、吉祥寺の街で鉢合わせになろうものなら、
仁義を切る事もなく、懐に忍ばせし3DSを居合い、
壮絶なタッチペン競り合いが始まるのであった。
一瞬の気の迷いが命取りとなる
仁義なきマリオカート対決の後、
残るは敗者の屍のみ・・・
この数年余りの仁義なきマリオカート対決で、
ブラウニーズとインディーズゼロは、
総社員の半分を失った。
人々は自らの行為に恐怖した。
吉祥寺世紀0013
吉祥寺の街ををひとつにするべく、
ブラウニーズ代表 亀岡慎一は
インディーズゼロ代表 鈴井匡伸の懐へ単身乗り込んだ。
しかし、何代にもわたり吉祥寺を納めてきた老舗
インディーズゼロが、新参者のブラウニーズの杯を、受け取るはずも無く
双方の直接の話し合いは、更に遺恨を深める形で終わった・・・
北斗系ゲーム開発(DS美文字トレーニング、しゃべる!DSお料理ナビなど、
ビジュアルの派手さよりも、内部のシステム重視ツール系ゲームの総称)を
得意とするインディーズゼロ、
方や南斗系ゲーム開発(マジカルバケーション、ファンタジーライフなど、
見た目ビジュアル重視のキャラクター系ゲームの総称)を
得意とするブラウニーズ。
南斗と北斗は表裏一体。
陰と陽。
これだけ相反する流派の双社が、譲歩し相容れる要点など
あるわけもなく、
その後、社名が代わり、
ハードも代わり、
時代も大きな変革期へと突入したが、
双社の胸に秘めたる想いは
何ひとつ変わってはいなかったのである。
吉祥寺の街がひとつになる日は
未来永劫、来る事はないのであろうか?
「スクウェア・エニックス」や、「スパイク・チュンソフト」のように
「ブラウニーズ・ゼロ」的な
双社がひとつになる日が来る事は、ないのであろうか?
井の頭池は、双社の行く末を見守るかのように
静かに波紋を広げるのであった。
つづく
次回予告
苦戦を強いられるインディーズゼロ鈴井は、井の頭条約で禁じ手とされた「Unity」の使用を決断。
その情報を入手したブラウニーズ亀岡は、「Unity」の使用を阻止するべく、スタッフに
栄養ドリンクを大量投与。ドリンクの効果が出るのはまだか!?
インディーズゼロの「Unity」使用を阻止する事は出来るのか!?
次回「サンロード、血に染めて」
君は、吉祥寺で生き延びることができるか?
*有限会社 インディーズゼロ webサイト http://www.indieszero.co.jp/
*この物語はフィクションであり、登場する人名、地名、企業名等全て架空のものです。