Kameoka Blog 練乳とホルモン
台風一過

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大型の台風が続けて日本を直撃しました。
被害に遭われた方々に1日も早く日常が戻りますよう
心よりお祈り申し上げます。

季節もTシャツ社長も、日に日に秋が深まっとりますが、
みなさまいかがお過ごしでしょうか?

今年の秋は、大好きな切ないキンモクセイの香りがしないなぁと、
周りの人たちに聞いてみると、すげーしてるじゃん!との答えが…
も、、、もしかするとアレですか?
老いとともに聴覚がモスキート音、蚊の羽音を認識出来なくなったやつの、
嗅覚版ですか???
ある程度お歳を重ねると、五感がどんどんやられていくんですかね???

もうあの甘く切ないキンモクセイの匂いを感じる事が出来ないと思うと
更に切ない感じです。
モスキート音は聞こえなくなって、夏は大変過ごしやすくなってるみたいですが、
来年はまたあのせつないキンモクセイの匂いを感じられますように。

そんなわけでございまして、
過ごしやすい季節になって参りましたが、
ここ最近のブラウニーズはと言いますと、
前回お知らせしました通り、開発作業でバタバタな感じでございます。

デバッガーを含め、新たな仲間もボチボチ増え始めました。
やや手狭感漂うブラウニーズ事務所は、てんやわんやでございます。
しかし、まだまだ人手は足りない状況であります。
ブラウニーズ愛の戦士たちを、引き続き大募集中でありますぞ!

しかし、うちだけに限らず、
周りの同業他社からも聞こえてくる人手不足…

今、この日本には何人のゲームクリエイターがいて、
一体、何本のゲーム開発が動いているんでしょう?

十年前と比べて、ゲーム1本1本のクオリティ、
誰にでも解りやすい見た目のグラフィックだけでも、
確実に数段アップしております。
ハードのスペックも変わってますしね。

その上がったクオリティってのは、
開発ツール等の進化という恩恵ももちろんありますが、
10年前と同じ人数が同じ期間で、今の数段アップしたクオリティを出せているかというと
決してそんな事はなく、やはりまだ人が手付けで作業している部分が大多数なのです。
なので確実に人の数も以前より必要となっているわけです。

そんなわけで、少しでも良いゲームを作ろうと思えば
確実に開発者の数も今まで以上に必要なわけで、
そりゃどこの開発会社も開発者不足に陥るわけですよね。

だがしかし、ソフト1本あたりの開発人数は増えていても、
ゲームソフト自体の売れ行きはどうでしょう?
10年前に比べ、ソフト1本の平均的売上本数は確実に減っているのです。
しかしお客様が満足してもらえるクオリティ、ボリュームを確保する為には
開発者を増やさざるをえない。
どーしましょー…

今はどこの開発会社さんも同じ悩みで頭をかかえているんでしょうね。
でも人がいなくては開発が進まないので、何はさておき人を集める。
今ココ。

人が増えるという事はそのまま開発費の高騰にもつながります。
ゲーム1本あたりの開発費が5億、10億は当たり前とも言われている昨今、
海外のAAA(トリプルエー)と呼ばれるフォトリアルな作品は
開発費100億円を超えるタイトルもざらにあります。

すごいですねー、
100億っていったい何が買えるのか?も想像つきませんね。

PS4などのAAA作品に比べ比較的安価で開発出来ると言われている
Switchでの開発ですが、
それでも周りの開発会社さんからはSwitchですら
繁忙期、開発MAX時は100人規模に膨れ上がってきている
と言われておるのです。
100人って、ちょっとアンタ…

弊社はせいぜい30人の開発会社でありますぞ、
上記の話しが本当なら、30人程度ではSwitchの開発も出来ませぬではないですか…

しかしちゃんと「ドラえもん のび太の牧場物語」は2年間の開発期間で
リリースを迎えましたぞ!

だからと言って、手を抜いて低いクオリティで作ったとか、
ボリュームが少ないとかは決してございません!
この点は自信を持って言い張れます。

設立時から会社はそれ程大きく広げず、
少数で密度の濃い作品を創ろうと立ち上げた我らブラウニーズ、
この少数精鋭でしか出来ない制作方法に大きな特色があるのですが、
ここら辺が我ら”ブラウニーズ”の大きな武器と言えるところなのです。

それはただ時間や人手をかけて作り込むわけではなく、
”個性”で際立たせ、他社との差別化を狙うこと。
ブラウニーズ独自のテイストの確立です。

一見カッコ良く聞こえますね!
尖ったブラウニーズ・オリジナルテイストの確立ですよ。
しかし、この武器が実は”諸刃の剣”なのです。

自分はゲームを”作品”と呼んでいますが、
インディーズと呼ばれる同人的にこだわって制作したゲーム以外は
”製品”と呼んだ方が実は正しいのです。

株式会社ブラウニーズは、まがりなりにも企業”会社”ですからね、
たとえ誰か一人が抜けても
今まで通りのクオリティを維持した”製品”を作り続けなくては
会社として成立しません。

ブラウニーズの得意とするテイスト、イラスト風の2D表現。
これって実は誰か一人のアーティストディレクターを、先頭に立てなければ、
なかなか唯一無二の尖ったテイスト、
そしてゲーム全体の統一感を出すのは難しいのです。

あとはサポートアーティストたちにもそれなりの
グラフィッククオリティが求められます。
なるべく数人がかりでも統一感の出せる作業工程を模索しつつ、
開発を進めてはいますが、
他人の絵のテイストに合わせて描ける技術が求められるのです。

大手開発会社の100人を超える開発チームになると、
誰か一人が欠けたとしても、すぐにそのポジションに他のスタッフを補充しても
作業が滞らず、回る仕組みになっています。
プログラムのソースコードひとつにしても細かいルールが指定されており、
個性を出すなという教育がいきわたっているのです。

でもうちのような作り方だと、
そのリーダーとなるアーティストに様々な確認、修正作業が集中せざるを得ません。
そこがボトルネックとなり、
もしそのアートディレクターが欠けるような事があれば、
それっぽい雰囲気は出せるかもしれませんが、
やはり尖った個性は失われます。

これが同じゲームでも自分が勝手に呼び名を変えている
”作品”と”製品”の違いですね。
うちは敢えて”作品”を創る道を選びました。
似たところで言えば、大阪にあるヴァニラウェアや、
オニオンゲームスあたりも、
独特な個性を前面に打ち出した、
同じ道を歩むアーティスティックな開発会社です。

このワンマン的開発方法がいつまで、どこまで通用するのかわかりません。
社内では実験的に違った創り方も試してみたりしておりますが、
やはり誰が見ても”ブラウニーズの作品じゃね?”と、言ってもらえるような
何かしら尖った作品を創り続けて行きたいじゃあないですか。

リリースした作品を、会社名を言わなくてもユーザーに気付いてもらえる。
そんな会社を目指しておりました。
たとえ他のIP作品を開発する事になったとしても、
遊んでみてすぐに
”あれ?これブラウニーズっぽくない?”と、気付いてもらえるような作品。
日本に今、何千、何百という開発会社がありますが、
その中で何社、そこまでの個性を持った会社があるのか…
そんな尖った会社を目指しているので、
そう簡単に仲間は見つからないのですよ。

そんなわけなので…どんなわけだかわかりませんが、
お話を少々戻しまして、
ブラウニーズでは相変わらず尖った仲間を大募集中です!

社内デバッグ、テストプレイヤーも引き続き募集しておりますので
ブラウニーズHPリクルートのページを参照くださいませ。
http://brownie-games.co.jp/top/recruit

秋も深まるところまで深まっちまったようので、
もしかすると次回の錬ホルは冬真っただ中になってしまうかもしれませんが、
次回の錬ホルも熱く行くんでよろしく!

ではまた次回、
ここ”練乳とホルモン”で!